X-Plane 11のデフォルト機「ボーイング737-800」でILS(Instrument Landing System / 計器着陸装置)を利用して着陸する方法を解説します。
オートパイロット(AP)をオンにする
オートパイロットは画像右側にあるCMD(コマンド)を押すとオンになります。
CMDはAとBがありますが、通常はAだけでOKです。
CAT-IIIのオートランド・モードで着陸する場合にAとBを両方押します。
CWS(コントロール・ホイール・ステアリング)を押すとオートパイロットがオンになっている状態でも操縦桿で操作できます。
オートパイロットを解除するには、画像右下のDISENGAGEを押し下げます。
COURSE | 滑走路の方向に合わせますが、今回は直接使用しません。 (次のステップで解説します) |
IAS MACH | 対気速度を指定します。 A/T ARM(オートスロットル・スイッチ)をオンにすると オートスロットルがオンになり、自動で速度を維持します。 ダイヤルを回して速度を選択してからSPEEDを押すと作動します。 |
HEADING | 進行方向を指定します。 HDG SELを押すと機体が自動的に旋回を始めて指定した方向へ飛びます。 (例:90が東、270が西です) |
ALTITUDE | 高度を指定します。 ALT HLDを押すと作動します。 |
VERT SPEED | 上昇率と降下率を指定します。 V/Sを押してダイヤルをクリックして指定します。 |
ジョイスティックなどでプレイする場合は、コントローラー側でオートパイロットとオートスロットルを解除できる設定にしておくと便利です。
COURSEとNAVの設定
Mキーを押してマップを表示します。
右上のモードのドロップダウンメニューからIFR低高度エンルートを選ぶと、矢羽根の様な形のローカライザーが滑走路から伸びているのが確認できます。
このローカライザーをクリックするとILS周波数が表示されるので、この中のNAV1の調整をクリックするとCOURSEとNAVの設定が完了します。
また、進入経路のプルダウンメニューから着陸する滑走路を選択することもお忘れなく。
(上の画像ではRJBB 06Rとなっています)
ILS進入では、空港に設置されたローカライザー・アンテナとグライドスロープ・アンテナから出る電波を機体がキャッチし、3次元の情報を得ることで傾斜角3°で滑走路に向けて降下します。
空港に近づいたらVOR LOCを押す
空港に近づいてきたらVOR LOC(VOR/ローカライザー・モード)を押します。
すると機体が電波をキャッチして自動的にILSのローカライザーに向かって飛びます。
私はこのとき対気速度165ノット(フラップ10)ぐらいで飛びます。
PFD(プライマリー・フライト・ディスプレイ)を見ると、上下左右に動く菱形のダイヤモンドが表示されています。
左右に動くダイヤモンドが中央にあるとき、機体は滑走路に向かって真っすぐ飛んでいます。
ダイヤモンドが中央より右にあるときは、機体が滑走路より左にずれていることを意味します。
このダイヤモンドが表示されない場合は、設定したILS周波数が間違っているか、電波を受信できる場所にいないことが考えられます。
APP(アプローチ)を押す
今度は上下に動くダイヤモンドが徐々に下がって中央に近づきます。
ダイヤモンドが中央に近づいたらAPP(アプローチ)を押します。
すると機体はグライドスロープを捕捉し、滑走路に向かって自動的に降下を始めます。
降下中は速度やフラップ角に注意し、角度3°の機首上げ状態を維持しながら降下します。
機首上げ角度は飛行機の種類によって異なります。
例:コンコルドでは11°です。
フラップとギアを降ろす
オートブレーキは1、2、3、MAXのいずれかにしますが、通常は2か3でOKです。
フラップは速度を落としながら段階的に降ろします。
フラップ角度と対気速度の例
フラップ | 対気速度 |
フラップアップ | 210ノット |
1 | 190ノット |
5 | 170ノット |
10 | 160ノット |
30 | 130ノット |
40 | 120ノット |
通常、飛行時にフラップの2、15、25は使用しません。
離陸時に5、15、25を使用し、着陸時に30、40を使用します。
ランディングギアを降ろすのもお忘れなく。
フラップの限界速度
ランディングギアの上げ下ろしを行うレバーの下には、ギアやフラップの限界速度が表示されています。
この速度を超えないように操作すると、よりリアルにプレイできます。
フラップ・リミット
フラップ | 対気速度 |
1 | 250ノット |
2 | 250ノット |
5 | 250ノット |
10 | 210ノット |
15 | 200ノット |
25 | 190ノット |
30 | 175ノット |
40 | 162ノット |
スピードブレーキをアームに設定する
スラスト・レバー(スロットル)の左にあるスピードブレーキを少しだけ下げてアームのポジションにします。
これでタイヤが接地するとスピードブレーキが自動的に全開になります。
スピードブレーキがアームになると、SPEED BRAKE ARMEDのランプが点灯します。
着陸
いよいよ着陸です。
機体の重量にもよりますが、およそ対気速度140ノット(フラップ30~40)で接地します。
このまま放置してもハードランディングで着陸可能ですが、実機通りに操作したい場合は着陸前にオートパイロットとオートスロットルを解除して手動で降下します。
接地寸前(高度30フィート)から3~5°の機首上げ(フレア)をして主脚から接地し、エンジンを逆噴射(リバース)して速度を落としながら前脚を接地させます。
速度が60~80ノットまで落ちたら逆噴射を解除してスラスト・レバーをアイドル状態にします。
そしてオートブレーキを解除して滑走路から出ます。
横風のなか着陸する方法
横風のなか着陸するには、機首を風上に向けた状態で滑走路に降下します。
滑走路のセンターラインより少し風上側を狙って降下するのがコツです。
実機では路面が濡れていれば機首を風上に向けたまま主脚を接地可能ですが、乾いた路面では蛇行運転になったり、滑走路を外れる危険があるそうです。
高度20フィートあたりでラダーを操作して機体を滑走路と平行にします。
しかし、機首が正面を向くと風で流されるため、操縦桿を倒して機体を風上側へ傾けます。
機体が傾く(ロールする)とその方向に旋回を始めようとするため、機体が旋回しないようにラダーを操作して機首が正面を向くように調整します。
そして風上側の主脚を接地してから風下側の主脚を接地させ、エンジンを逆噴射させながら最後に前脚を接地します。
速度が落ちると揚力が小さくなるため、速度を落としながら操縦桿やラダーの入力を徐々に強めるといった微妙な操作が必要になります。
この操作には練習が必要で、私もまだまだ修行が足りません・・・。
今回はこれで以上になります。お疲れ様でした。
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